香港のフラットではいろんな問題や不具合が発生します。
中には日本にいれば考えられないようなこともあります。
問題が起きないフラットはまずないんだという前提で生活するとまた違った見え方が出来るようになるのではないでしょうか。
トラブルが発生しない物件をご紹介できればそれに越したことはないのですが・・・。
また、家主さんによってトラブル対応に大きな差があることも事実です。
連絡をするとすぐに駆けつけてくれる家主さん、すぐ修理業者を手配してくれる家主さん、トラブルの状況を自分自身で確認し修理の見積価格によって対応を決める家主さん、「今回は対応するけど次回以降はテナントさんで対応して。」という家主さん、「対応しません。」という家主さん、トラブル報告の電話中に電話を切る家主さん、居留守を使う家主さん、連絡すらつけられない家主さん・・・。
さらにトラブルの大小、緊急性の認識は家主さんによってかなり隔たりがあります。
「そんな細かいことは自分で対応してください。」良く聞く家主さんの言葉です。最初はこまめに対応してくれたにもかかわらず、回を重ねるごとに対応が悪くなってくる。なんてことも・・・。
これは本当にトラブルなのか?業者さんを呼ばなければいけないのか?
ここでは今までに実際にあった事例を基に簡単な予防法、対処法等をご紹介いたします。
皆様のご参考になれば幸いです。

*ご紹介の事例は事実に基づいておりますが、全ての例に当てはまるものではありません。
対処後の結果につきましては弊社としまして一切責任は負いかねますのでご了承ください。

カビ対策ドアの鍵
洗面台の吐水口シャワーの切り替えシャワーホースバスタブの栓バスタブの排水口
床の排水口トイレタンクの洗浄トイレタンクの水位便器の水位トイレの断水
換気扇電気温水器洗濯機(縦型)洗濯機(横型)エアコン
電球交換ブレーカーボックスヒューズトイレの臭い

新築物件でよくみられる長方形の床材は水にとても弱いです。水等をこぼした際はすぐに乾いた布でふき取ってください。また、普段の掃除でも乾拭きをお勧めします。 床材によっては市販のワックスに適さないものもたくさんありますので、ワックスをかける場合は作業前に家主さんに確認したほうが良いでしょう。

基本的に壁へ釘等を打つことは契約書の中で禁じられていますが家主さんによって対応が異なりますので事前に確認したほうがよいでしょう。
塗り壁にテープでポスター等を貼られると、剥がす際にテープに塗料が付着して塗装も剥がれてしまいます。

窓のヒンジやステーの部分に錆や埃が付着し開閉がきつくなることがあります。定期的にヒンジやステー部分にスプレー式の潤滑油を塗布してください。 また、窓のフレーム、ヒンジやステーの固定部分に緩みや歪み等の不具合が見つかった場合には速やかに家主さんへ連絡してください。

カビ対策

湿度が上がってくるに連れて心配になるのがカビの発生です。部屋の風通しをよくし、除湿材や除湿機を使用してカビの発生には注意しましょう。キッチンやバスルームのシール部分は使用後に水を拭き取ることも有効です。
それでもカビが生えてしまったら?
壁や天井はきつく絞った雑巾で拭くと結構きれいになります。白色の塗り壁の場合、漂白剤をまぜた水を使用するとより効果的です。あまり強くこすりますと塗料もはがれてきますのでご注意ください。
シンク、バスタブ、洗面台のシール部分はボロギレ(白に限る)をはさみで細長く切って、それをシール部分に乗せます。それから漂白剤をボロギレに染み込ませます。一晩そのままにして後は水洗いすればOKです。色落ちの恐れがありますので、事前に目立たない場所で試してから作業をしてください。

ドアの鍵

香港はオートロックが非常に多い上、鍵の数も多いですね。アイアンドアに1箇所、メインのドアに2箇所なんてことはよくある話です。
ドアノブの鍵でベッドルームによく使われている内側からボタンを押すタイプの鍵があります。ボタンを押して施錠し、鍵を開けるとボタンが飛び出すタイプのものです。このボタンを押した状態でボタンを90度回転させると鍵を開けてもボタンは飛び出ません。通常はそうそう簡単に押した状態で回転することはないのですが、何かの拍子に回転させてしまい、そのことに気づかずに鍵を開けようとするが開かない。普段通りにやっても鍵が開かない場合は鍵を回した状態でドアを押してみてください。
このボタン式の鍵はベッドルームなど室内のドアにも良く使われています。この鍵は鍵をかけてからドアを閉めるわけですが、これは鍵がかかっていてもドアが閉められる(閉まる)ということです。本人はかけたつもりはないのにこれまた何かの拍子でボタンが押されていた場合鍵で開けなければいけません。さてその鍵は!?「あっ寝室の中だ!普段使わないし大事なものだから仕舞ってしまった・・・。」
かなりよくある話です。ベッドルームの鍵はリビングやキッチンに仕舞っておきましょう。
それから日本ではまず見かけないプラスドライバーのような鍵(十字鎖)です。これは鍵が奥まで入っていく方向が一箇所だけです。鍵を持つところに穴が開いていたりぽっちが付いていたりしますが、その印を上または下(後からコピーすると同じ鍵でも方向が違う場合もありますが・・・。)にしてグッと押し込んで回しますが、違う方向で無理に押し込もうとすると中のピンが狂ってしまい開かなくなります。修理も出来ますが、一度ピンが狂うと癖がつきますから交換をお勧めします。

洗面台の吐水口

蛇口をひねって水が出てくるところですが、水が飛び散らないように中にネットがついています。
このネットに水道管から流れてきたさびや石ころ、泥などが溜まってしまいます。
ひどい場合は蛇口をひねっても水がちょっとしか出てこないなんてことにもなりかねません。
このネットは吐水口のねじ式の金具の中に納まっていますから、簡単に外れます。
手で外れないときはプライヤーかペンチをお使いください。でも中には取り外しの出来ないタイプのものもあるかも知れませんので力を入れる前に確認してください。下から上へねじ込んでありますから力を入れる方向をお間違えのないように。

シャワーの切り替え

バスタブとシャワーの切り替えですが、様々なタイプのものがあります。レバーで切り替えるタイプ、ボタンを押すタイプ、引くタイプなどなど。最近はしゃれたデザインのものも良く見かけますが、強度はかなり低いようです。切り替えの際は面倒でも水やお湯を一旦止めた状態で行ってください。

シャワーホース

シャワーホースは一種の消耗品です。ヘッドの付け根や水詮の付け根の部分はよく破損します。
交換は簡単です。ホースの両端はねじ式になっていますので簡単に外せます。
スーパーやデパート、DIYショップでホースだけ売っていますので、買ってきて交換するだけです。
その際、注意が必要なのがシャワーヘッド側の接続部の形状です。シャワーフックにその接続部を掛ける商品が多いので形状が合わなければフックに掛けられなくなります。ちょっと面倒ですが購入の際には破損したホースを持参されたほうが良いでしょう。

バスタブの栓

バスタブの栓で良く見かけるのが、栓の形が横から見るとT字型になっていてこれをレバーやダイアルを操作して上下させるものです。まず栓自体ですが栓の下の方、T字の縦棒の先端に高さを調整するためのねじが付いています。このねじにはナットが付いていて緩みにくくしてあるにもかかわらず、ねじだけが流れていってしまい、レバーやダイアルを操作しても栓がはずせなくなることがあります。ダイアルやレバーも頑丈であるとは言い難いので、バスタブにお湯を張る際には市販のゴム栓を利用されることをお勧めします。

バスタブの排水口

排水不良もよくあるトラブルの中のひとつです。排水時には必ず排水口にごみ取りネットをおいて髪の毛等が流れていかないように注意しましょう。また市販のパイプ洗浄剤を使って定期的にクリーニングすることもお忘れなく。

床の排水口

これはキッチンやバスルームの壁の下側や床にあるの排水口です。
この排水口は普段は使いません。というより使い道がないといったほうが良いかもしれません。定期的に漂白水を加えた水を流し込み、パイプ内の乾燥を予防しましょう。

トイレタンクの洗浄

香港のトイレ用の水は皆さんご存知とは思いますが、ほとんどのビルが海水を使用しています。海水ですから金属部品も痛みやすいですしフラッシュレバーに塩の結晶が付着します。何より問題なのはタンクの底にヘドロが溜まることです。臭いの原因にもなりますので、定期的にシャワーなどで真水を使って洗い流してください。
その際、くれぐれもタンクの蓋の取り扱いにはご注意ください。蓋が割れてしまうと同じものを探すのはとても大変です。蓋だけは買えずタンクとセットだったり、最悪は便器とセットなんてこともあります。

トイレタンクの水位

トイレタンクの水は丸いボールのようなフロートが持ち上がってきて止まるようになっています。最近はドーナッツ型のフロートもあります。形はともかく仕組みは基本的に同じです。長く使ってくるうちにこのフロートが止まる位置がずれることがあります。
水位が高すぎると水漏れ(オーバーフロー)を起こしたり、水が止まらずチョロチョロと便器に流れっぱなしなんてことになりますし、逆に水位が低いと何度もレバーを操作しないと流れなかったり、水量が少ないために最後の詰めが甘くなり「2度流さないといけない」なんてことになります。定期的にタンクの水位を確認してください。
水位の調整はフロートが付いている棒の付け根にねじ込み式のアジャスターがあり、水位が高い時はそれをねじ込み、低い時は戻してください。ボール以外のフロートの場合は板バネのような金具が付いていたり、ねじ込み式のアジャスターで調整します。

便器の水位

便器の中には水が溜まっています。この水が蓋の代わりになってパイプ内の臭いを遮断しています。
普段使用しているトイレでは問題はありませんが、アマ部屋のトイレや二つあるバスルームのうちひとつを物置として使用されて水を流されない場合、便器内の水が乾燥してしまい蓋がない状態になってしまいます。この状態では臭いも出ますし、重大な病原菌がフラット内へ入ってくる危険がありますので使っていないトイレも定期的に水を流すようにしましょう。

トイレの断水

香港のトイレ用の水は上水道と異なるため、かなりの頻度で断水します。マンションのタンクの洗浄等事前に通知がある場合もありますが、緊急の場合事後報告という形で断水します。この場合はシャワー等で水をタンクに入れて対応してください。
ここで重要なことはタンクの蓋の取り扱いもですが、一番は断水中の外出です。断水後の給水再開は事前の連絡はまずありません。いつの間にか給水が再開されます。
タンクに水が溜まれば自動的に水が止まるのが当たり前ですが、断水中に自分で水を溜めた際にタンク内のフロートがタンクの壁に引っかかって浮き上がらなくなっている等のトラブルが発生している可能性があります。そして外出中に水が止まらない状態で給水が再開されると・・・。
断水時に外出される場合は必ずタンクに水を溜めた状態(フロートが浮き上がった状態)またはタンク下の元栓を閉めた状態でお出かけください。

換気扇

香港でよく見かけるのは丸型の換気扇です。ここで問題になるのが、外側の蓋です。台風の時、この蓋が風で飛ばされることがあります。実際は紐がついているので飛ばされずに窓や外壁にあたってカラカラ音をたてます。こうなると修理はほぼ不可能です。
台風の時や風が強い時には蓋を閉めて、さらに紐を窓のレバー等に結んでおくと良いでしょう。

電気温水器

瞬間沸騰タイプの湯沸かし器の場合、スイッチは必ず使用する直前に入れて、使用後は必ず切るようにしましょう。
スイッチを入れたままにしておくと故障の原因になります。

洗濯機(縦型)

洗濯機本体の給水口(給水ホースがつながっているところ)にごみ取り用のネットがあります。ここにごみが溜まると給水量が減少し洗濯に時間がかかるだけではなく、洗濯機が動かなくなることがあります。給水が細くなったかなと感じたらネットを掃除しましょう。まずホースの蛇口を閉めて、洗濯機を動かします。(ホース内の水を抜くため)そして、ホースを洗濯機から外します。
あとは溜まったごみを取るだけです。
余談ですが、日本式の洗濯機には2つの排水方法があります。日本と同じように重力の力で自然に排水させるタイプとポンプで排水させるタイプです。前者が”低去水式”、後者が”高去水式”です。ポンプで排水させるタイプのものは排水口が高い位置にないといけません。買い替えの際は今ご使用の洗濯機がどのタイプかをご確認のうえお買い求めください。

洗濯機(横型)

スペースの関係で香港では良く見かけます。特に正面から洗濯物を入れるタイプは新築の物件には最初から標準装備されていることが多いです。このタイプで注意することはまず洗剤です。日本式の洗濯機の感覚で洗剤を入れすぎると泡が立ちすぎて水漏れの原因になります。ヨーロッパ式の洗濯機にも使える洗剤(パッケージや使用方法の欄に絵が描いてあります。)を選んでください。
また、洗濯物の重さにも注意が必要です。4.5KG~5KG洗いが一般的ですがあまりたくさん入れて回してしまうとドラムのベアリング部分に負担がかかり、水漏れや洗濯物に色が付いたりすることがあります。この場合の修理には時間もお金もかかります。
機種によっても違いますが、正面下側にごみが溜まるところがありますから、定期的にごみ取りをしましょう。

エアコン

香港ではなくてはならないもの、壁の一部ですね。一体型、スプリット型がありますが、長時間連続で使用しない。一旦運転させたらすぐに止めない。フィルターの掃除はこまめに行う。これは両方に共通する注意点です。
スプリット型の場合室内機の水漏れにも注意が必要です。室内機からの排水パイプの詰まりが原因となることが多いようです。特にドライモードでの運転中に多く見られるようです。(メーカーによってはドライモードでの運転しないように勧めているところもあります。)ドライモードでの運転中に水漏れが起きた場合は一旦エアコンを止めてしばらくたってからクールモードで運転してみましょう。また、突然の水漏れに備えて室内機の下には電気製品は置かないようにしましょう。

電球交換

電球が切れたので交換しようとすると、電球のガラスの部分だけが取れてしまった。こんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。こんな時はマイナスドライバーとラジオペンチをご用意ください。まずマイナスドライバーで電球の口金の縁を内側へ起こします。次にそれをラジオペンチでつまんで回転させて外します。
作業の際は必ず照明器具のスイッチはOFFにしておきましょう。
また、新しい電球を取り付ける際はあまりきつく締めないようにしましょう。

ブレーカーボックス

ブレーカーが落ちる場合は電気の使いすぎよりも電気製品や延長コード等に問題がある場合が多いようです。ブレーカーが落ちたらまず全てのブレーカーをOFFにします。(漏電遮断機はダイアル式になっているものもあります。)それからメインと漏電遮断機をONにして各ブレーカーを順番にONにしていきます。このときONに出来なかったり漏電遮断機が落ちればそこが問題の箇所となります。問題のブレーカーに該当する場所にあるコンセントのプラグを抜いて照明のスイッチもOFFにしてひとつずつ確認していけば何が問題かが分かります。たまに表示と実際の位置があっていない場合もありますのでご注意ください。
また、メインスイッチをONにしたにもかかわらず電気が来ない場合がありますが、外部の電気メーターのところにさらにスイッチがありそこがOFFになっているはずですから管理人さんに言ってメータールームを開けてもらってONにしてください。

ヒューズ

電源プラグや延長コードのコンセント部分、エアコンの電源など管ヒューズが良く使われています。ブレーカーも落ちてない、コンセントにもきちんとプラグを差し込んでいる、でも動かない・・・。そんなときはヒューズが切れている可能性大です。マイナスドライバーでFUSEと書いてあるところからヒューズを取り出して交換しましょう。ヒューズは街中にある道具屋さん(五金舗)で買えます。
必ず最初についていたヒューズと同じアンペアのものを買ってください。

トイレの臭い

トイレの臭いの原因としては以下のものが考えられます。
1.タンク内に沈殿したヘドロ
2.便器と排水パイプの接続部分からの漏水
3.バスルーム(トイレの近く)にある床の排水口からの配管内の臭い
4.便器内(淵の裏側)の汚れ
対応策としては
・タンク内のヘドロの沈殿
シャワーの水を使ってタンク内のヘドロを洗浄します。フラッシュ用の水は海水を使っていますから、定期的に行うと良いでしょう。その際、タンクの蓋の取り扱いには十分注意しましょう。
・便器と排水パイプの接続部分からの漏水
接続状況にもよりますが、家主さんへ連絡して対応してもらいましょう。水漏れの様子を動画で撮影して送ってあげると良いでしょう。
・バスルーム(トイレの近く)にある床の排水口からの配管内の臭い
これは普段使用していないすべての排水口に当てはまりますが、排水口の先にあるUトラップ内の水が乾燥していることが原因です。排水口から水を流し込み、最後に液体の漂白剤を流し込むと良いでしょう。定期的に水を流し込み、常にUトラップ内が水で満たされている状態を保ちましょう。
・便器内(淵の裏側)の汚れ
香港では表面的な掃除しかしないため、便器の淵は意外と汚れていることが多いです。